色んな国から日本という外国に来る実習生たち、言葉や文化、習慣にも違いがあります。
日本にて来てからの生活に、すぐに慣れる実習生は殆どいません。6か月くらいして漸く生活に慣れてきた・・・と、いう声が聞けるかな?って、感じでしょうか・・・。中には生活に慣れなくて途中帰国を希望する実習生もいます。
実習先では作業を覚え、作業に慣れるににも、最低3か月はかかります。仕事を一通り覚えるまでに、分からないことだらけで、会社の人に教えてもらい、私たち日本人以上に大変な努力を強いられます。
自分たちの寮に帰宅すれば、日本の食材で夕ご飯を作る実習生もいれば、安くて簡単にできるインスタントラーメンで夕ご飯を済ませる実習生も多いです。こんな食生活で健康管理ができているのでしょうか。忙しい日々の中で食事のゴミは決められた曜日を守って捨てられているのでしょうか。
また、日常生活で病気やケガをしたときは、誰に相談すればよいか、仕事中、わからないことや、困ったときは誰に相談すればよいか・・・
今回は、実習生に関する責任者や仕事を教える技能実習指導員、生活面で相談できる生活指導員を企業内で決めていただくための条件等を解説していきます!
また、生活面で普段から指導しておくべきポイントもご紹介いたします。
実習・生活面で決めること!
入国前の認定申請書類の提出書類の中で、技能実習責任者・技能実習指導員・生活指導員の履歴書と誓約書写しと、その会社に所属している証明書(健康保険証等)の写しの提出が求められます。なので、予め企業で誰が、どの担当をするか決めれおく必要があります。
技能実習責任者の主な役割は、技能実習実施の統括責任や入国までの受入れに関わる準備、実習計画の作成等。
技能実習指導員は、実習生へ作業を指導したり技能検定試験合格に向けての指導を担当。
生活指導員は、実習生の生活状況を確認したり指導をしたり、相談にのることを担当。
それぞれの役割の詳細は実際に提出する誓約書の中に記載されておりあます。(外国人技能実習機構のホームページより)
技能実習責任者・技能実習指導員・生活指導員の就任承諾書及び誓約書
企業単独型も団体監理型も、それぞれ上記のフォーマットで提出します。
また、技能実習責任者は2020年3月までに責任者講習を受講し、受講証明書の写しを外国人技能実習機構へ提出しなければなりません!
講習は事前申し込みが必要です。すぐに満席になるので、時間に余裕をもって、お申込みされることをお勧めします。
技能実習責任者講習実施機関(厚生労働省のホームページより)↓
外国人実習生の生活面の指導ポイント
【健康管理面】
夏にかけて多いのが食あたりで体調を崩す実習生。大きな鍋でカレー等を大量に作り、それを数日間に分けて食べたりします。鍋で作ったままの状態で何日間も放置しているので、特に湿度が高くなる梅雨の時期にお腹を壊す実習生が多いです。
食生活では東南アジアの料理の特徴なのか、油を使用する料理が多いので普段の食生活で摂りすぎには注意が必要です!
また、体調不良が長引くようであれば早いうちに病院へ受診するように指導しておき、予防方法も教えてあげて、普段から体調管理を意識するように指導しておくことも大切です。
中国以外の実習生の多くは常夏の国からやってきます。冬の寒さを経験したことがない人がほとんどです。冬になると寒い地域ではマイナスの気温になることを知識をインターネットの情報等で得てるかもしれませんが、それが果たして、どれくらいの寒さなのかは、日本に来てから経験しないとわからないので、知らず知らずのうちに風邪を引いてしまう実習生が入国してから最初の冬に多いです。なので、予め実習生に指導しておくべきポイントをまとめました。
また、ケガや病気については実習生総合保険に加入しますので、3割負担分も実習生総合保険でカバーできます。ただし、保険適応されるもの、されないものがあるので、外国人技能実習生の保険に関して詳しく説明しているのはこちらをまず、ご覧ください。
・料理の作り置きはしない。する場合はタッパーに入れて冷凍保管する
・賞味期限の見方を説明しておく。「要冷蔵」等の意味も。
・体調不良が3日以上続く場合は、必ず病院へ受診する。
・冬場の薄着を避けさせる。防寒具を着用する指導をする。
・栄養バランスの良い食事を心がけるように指導しておく。
・勝手に魚やカエル等を捕まえて食べない。
・木の実や果物等、木になっている物を取らない。落ちている物でも持ち帰らない。
【生活ルールや衛生面】
ゴミの始末について実習生の母国では、決まったルールは、ありません。しかし日本ではゴミの分別や地域指定のゴミ袋に入れて捨てる地域もあり、決まった曜日に捨てる、といったルールがあります。また、不要になった揚げ油をそのまま排水溝に捨ててしまわないように、別の処理方法を予め教えてあげましょう!これは配属時には、しっかり指導しておかないと、後々、近所からクレームがあがってきます。
男性実習生に多いのが、掃除を滅多にしない、あるいは、食べた後の食器を数日間放置してまとめて洗う人がいます。ゴキブリやネズミが来る原因になるので、実習生の部屋に行った際は、台所や風呂場にカビがないかを確認した方が良いでしょう。
アパートに住む実習生に特に注意しておかないといけないことは、部屋の中で大きな音で音楽を聴いたり、大勢でさわがない!このクレームは、すごく多いです。近所の人のご迷惑にならないよう、事前に指導が必要です。生活面でのルールや衛生管理についてポイントをまとめてみました!
・ゴミカレンダーを部屋の共有スペースに貼っておく。
・ゴミの分別ができているか、掃除しているか定期的に部屋に行って確認する。
・掃除当番表を渡し掃除当番を決める。
・部屋で大きな音、おしゃべりをしないよう配属時に指導しておく。
まとめ
実習生は日本ほどルールの厳しい国からやってくる人はいません。私たちは普段の生活の中で慣れているため自然にでき、さほど大変に感じなくなってきてますが、実習生にとっては、実習先と普段の生活とで覚えることはたくさんあり苦労します。たくさんありすぎて、生活に慣れるまで、つい忘れてしまうこともあるでしょう。最初にチェックリストを作って一つ一つ、できているか確認させるのもよいでしょう。できれば、母国語併記で理解させることをお勧めします!
また、アパートの1階に住んでいる実習生は、稀に玄関から部屋に入らず、自分の部屋の窓やベランダから出入りする人もいますから、1階に住む実習生には、そういったことも予め、してはいけない指導もしておいた方がよさそうです。
私たちは日本で住み慣れているので、常識として当たり前として認識していても、実習生にとっては、母国でそんなルールがなければ当たり前として認識されないのです。起こってから注意するより、事前にきちんと教えておくと生活していく上でトラブルも回避でき、病気やケガも未然に防ぐことができるでしょう。