初めての外国人技能実習生の受け入れの悩みの中の一つが、住居と、その住居には何を用意すればよいでしょうか?と悩む企業がほとんどで、よくこの質問を受けます。
外国人技能実習生は日本に住みながら3年間~5年間働くので住居の準備も、しなくてはいけません。
どこに住んでもらおうか?会社の近くのアパートで自転車で通勤をしてほしいのであれば、自転車保険加入義務の地域だと自転車保険も予め検討しておかなくてはなりません。また、加入義務地域でなくても自転車通勤をお考えの企業には強く自転車保険の加入を勧めています。(その理由については下記で詳しくご紹介しているので、そちらも併せてご覧くださいね!)
では、会社の近くに何人かでシェアして住める物件はあるのか?!
企業によっては予めある社員寮に実習生を入居させれる企業もありますが、全部が全部そうとは、限りません!私の担当の企業は、ほぼ、組合(監理団体)のアドバイスのもと、技能実習法の定めの範囲内で物件探すことが多いですね。
物件を探す際に、一部屋何人くらいまで同居可能か?部屋の広さに最低限の決まりはありますか?等の質問や、部屋の中には、最低限何を準備しておけば良いのか、今回は住居について解説していきましょう!
外国人技能実習生の住居に関する決まりについて
まず、外国人技能実習法上での部屋の決まりを簡単に説明します!
外国人技能実習生に関わらず、安全面が確保できているかどうか?
【安全・衛生面に関しての条件】
雪崩・土砂崩れの被害を受けない場所であるか、また、爆発物等危険物を扱う場所から離れているか、病原体によって汚染されていない場所であるか?
企業の社員寮等の場合、15名以上入居し、建物(2階以上)に避難通路が2か所以上あるか?(避難はしごでも可能)また、技能実習生を含む10名以上の社員が入居している場合、労働基準監督署に寄宿舎設置届を提出しなければいけません。(労働基準法第10条、第96条の2)
また、実習生が入居する建物には必ず消火設備が備えてあるかも確認しておきましょう!
台所では、十分な明るさ・十分な換気、外からのゴキブリや、ねずみの侵入を防ぐための衛生設備を整えてあげたり、食器棚等を設置して食器や調理器具を保管できるように整えてあげる必要があります。
トイレや浴室、洗濯等、日常生活ができる環境に整えておく必要があります。
【広さと共同生活においての条件】
広さにおいては、クローゼット等の収納スペースを除く、4.5㎡(約3帖)/一人あたり必要です。なので6帖部屋で定員2名まで可能となります。
4人の場合 2LDK(6帖×2部屋+リビングダイニング)
1部屋に2段ベッドと勉強机1つ×2部屋分。エアコン、カーテン。
整理ダンス(クローゼットがない場合)
リビングダイニングにテーブル×1、椅子×4脚、食器棚、家電類。
また、部屋には窓があり、暖をとれるようにしておくことが条件です。
日勤と夜勤の勤務場合、日勤のの人同士が同じ部屋、夜勤の人同士が同じ部屋にしてあげないといけません。
外国人技能実習機構のホームページより「技能実習制度 運用要領」
P84~P88 (2)宿泊施設の確保に関するもの
外国人技能実習生に用意しておくべき生活用品とは?
こちらでは用意しておくべきお勧めの生活用品をご紹介いたします!
入国後、約1か月間の入国後講習を受けた後は技能実習がスタートです!
入国後講習期間中から入居するのであれば、入国前までに必ず準備しておきましょう!
講習期間中は一日8時間、日本の法律や交通マナー、日本語の日常会話等を勉強する期間なので、生活用品を一から揃える時間がありません。
技能実習法の観点から、”すぐに生活できる環境”にしておく必要があるので、家電を準備する際にトイレットペーパー等、1か月程度の消耗品も準備しておいてあげた方がよいでしょう。
私の経験上お勧めする生活用品や家電を下記に記載しています。ご参考にしていただければと思います!
炊飯器、電子レンジ、冷蔵庫、洗濯機、エアコン、ポット、インターネットwifi、掃除機、ガステーブル、食器、ドライヤー、テレビ、照明器具、布団毛布シーツ等の寝具類、カーテン、フライパン等の調理器具、ごみ箱(各部屋に1個、分別タイプを台所用に1個)、自転車、傘、レインコート、洗濯ばさみ、洗濯竿、ハンガー、ハサミ、カッター、湯たんぽ、三角コーナー、食器棚、テーブル、椅子、施錠できる貴重品入れ(各自)
最初だけ用意して次からは各自で購入する物
ごみ袋(指定があれば指定のものを1か月分)、トイレットペーパー、洗剤(食器用、洗濯用)、ティッシュペーパー、掃除用タオル数枚、スポンジ(食器用、風呂掃除用)、トイレ掃除用具、揚げ油を固めて捨てるもの
【重要】入居するにあたり事前申し込みが必要な事
インターネットWifi
実習生が住んでから契約すると、インターネット開通まで2週間ほどかかります。その間、実習生は母国や職場や組合と連絡が途絶えるわけですから、必死にインターネットが接続できる場所を探します。その結果、仕事が終わると企業の作業着のまま何も買わずに近所のコンビニに何時間も、たむろし、お店から苦情が企業へ寄せられることが何度かありました。そのためにも、インターネットWiFiは、予め企業で申し込んで、月々の費用を実習生から徴収するかたちに私のところはしています。
また2019年の最新の情報をお伝えすると、在留期限が2年以上ないと本人が契約できません!技能実習生の在留期限は1年ごとの更新になります。なので、彼らを店頭につれていっても、本人は契約できません。なので、予め企業名義で申込みを済ませておくことをお勧めします。
基本おすすめのWiFiは、エリアによって電波状況があるので一概にどれがおすすめか決めるのは難しいですが、契約期間の縛りがない会社や、3年縛りの期間や違約金が発生しないところが揉め事もなくて良いかと思います。うちでよく使用しているところは、工事が必要なく、電源を入れるだけで簡単に接続できるものや、速度制限のないものを企業におすすめしています。(上記を加味した上で、おすすめの会社の参考リンクを下記にて↓)
◆実習生寮のおすすめWiFi
BBN WiFi 契約期間3年。 大容量プランでも月々3,680円と安め。工事なし。外出時も持ち歩き可能。
STAR WiFi 契約期間の縛りなし。大容量クーポン利用で月々3,373円と安め。工事なし。外出時も持ち歩き可能。
ソフトバンクAir 最初はよく利用していました。通信速度も問題ないのですが、2年縛りなので、3年で解約する場合、9,500円の解約金が発生します。キャンペーン状況によって、キャッシュバックが大きいのが魅力的です。キャッシュバックを解約金に充てるのもアリですね!月々3,800円。工事なし。開通するまでの間ポケットWiFiを貸してくれるサービスも充実。
携帯電話または、ポケットWifi
通勤途中や移動先でなにか連絡を取りたい場合、近くにコンビニ等Wifiがあれば連絡はとれますが、近くにない場合の連絡ツールとしては携帯電話かポケットWifiは1台、非常用として準備しておくことをおすすめしております。
自転車保険
意外と見落としがちなのが、この自転車損害賠償保険です。私の担当企業で、通勤に自転車を使わない企業は全て加入しております。その理由は、実習生総合保険は通勤時に適応されません。労災扱いになります。
万が一、通勤途中、自転車で歩行者にケガをさせた場合、ケガの程度にもよりますが、最高金額が1億近く請求されます。外国人実習生に限らずに日本人も地域によっては義務になっている所もあるので、加入しておきましょう。
まとめ
生活用品等の準備する物は、あくまでも目安です。6帖の部屋で2人だと、2段ベットもご用意される企業もあります。また、テーブルではなくて、ちゃぶ台にする場合は、座布団を用意してあげると良いでしょう。
全部新品なくても大丈夫です!企業の社員の方々にまだ使えるけど、不要になった食器棚や家具・家電類、食器類のご提供をよびかけたり、ネットオークションやリサイクルショップで中古品を購入される企業もあります。また、下記のサイトも活用しております。
職種や勤務時間帯によっても必要なものが違ってきたりします。例えば夜勤の外国人技能実習生女性だと、防犯ブザー等も支給しておいた方がよいでしょう。
寒い地域だと、エアコン代が非常にかかるうえ、温まりにくいので、就寝時は電気敷布や湯たんぽを活用することをお勧めしています。エアコンの温度を高くするより、エアコンなしで電気敷布や湯たんぽがあればすぐに体も暖かくなります。
住居に関しては、入国3か月以上前から決めておいた方が良いでしょう。自社の社員寮を使用する際は、避難経路を確認しておいたり、予め設備の不具合がないかを確認しておきましょう!また、事前にごみステーションの場所の確認や、役所で、ごみカレンダーをいただいておくことも大切です!
また、大きなトラブルになる前に近隣住民の方々への理解活動もしておく!これが重要です!大抵のトラブルの原因がベトナム人実習生の深夜のカラオケや、アパートの共用スペースで電話などで話して、その声が大きい問題が多いです。なので、予め実習生にもこれらのことを気を付け、「夜遅くカラオケしない」っていう言い方よりも、具体的に、「夜8時以降はカラオケや音楽を聴くのは禁止、イヤホンは可能」という風にこれくらい具体的に言わないと彼らの都合いいように解釈されてしまいますので、注意が必要ですね!