外国人技能実習生の採用で外国にある現地の送出し機関で面接をしに行く機会があるかと思います。今回は、外国人技能実習生の面接で質問しておくべき内容や注意点について、書かせていただきます。
外国人技能実習生の面接で初めて海外出張に行かれる方もいらっしゃるかと思いますが、海外出張に持って行くのに便利なアイテム等も下記でご紹介しておりますので、海外出張に行かれる前にぜひ、下記のサイトご覧ください。
外国の送出し機関で面接をするにあたって、職業上の希望は組合を通して予め伝えておくとスムーズです。
◆予め伝えておく希望(例)
・右利きの方
・身長165センチ以上の方
・この職種の経験者、あるいは未経験者可能かどうか。
・日本語能力試験N4合格者
これは、あくまでも例です。職種によって希望は異なります。例えば、重いものを運ぶ作業があるのであれば、男性希望としておいた方がよいでしょう。作業上、左利きでは困難な作業だと、入国して配属されてからも実習生も企業も困ることになりますので、業務上の希望があれば予め伝えておいた上で該当の希望者の中から面接をした方がお互いに時間の無駄にはならず、希望の条件に沿った方から選ぶだけなので、スムーズに進行できます。
大抵の面接希望者の人数は採用人数×3倍の人を面接することが多いです(国による)中には希望者全員を面接しないといけない国もあるので、組合に予め確認しておきましょう。
外国人技能実習生の面接で質問しておくべきこと。
限られた時間で質問する内容は、「日本にきてどこにいってみたいですか?」等では、彼らも予め聞かれるであろう質問に対する答えを用意してきているので、本当の彼らの考え方や、人間の本質を見抜くことは難しいです。私も何十人、何百人の候補者の面接に同席しましたが、海外に行ったことがない人がほとんどで、初めての海外で生活して働くわけですから、日本にきてから何を頑張るか、何を努力するかは日本に来てみないと分からないので、いくら面接で「日本にいったら、早く仕事を覚えていっぱい残業して、休みの日は日本語を勉強して…」と、言ったとしても、それはその時の気持ちで、実際に日本にきてそれができるか、そこはあまり信用しない方がいいでしょう。意気込みはみんな十分にある人ばかりです。面接で選ばれたいわけですから面接の為の言葉を用意して挑んできます。その意気込みは十分に伝わります。嘘ではないと思いますが、日本にきてから実際に業務を経験して残業が嫌いな人もいますし、仕事に疲れて、日本語の勉強もだんだんしなくなる人もいます。それは、実際に経験しなと何とも言えないので、あまり、日本に来てからのやりたいことや、目標に関する質問は避けた方がいいかなと、私は思っています。
私が質問する内容や企業の方にどんな質問をすればいい?と相談を受けたときに答える質問内容をまとめました。
共同生活を理解し周りに迷惑かけないように協力できますか?
日本や職場での法律やルールを守って生活や実習できますか?
親戚や家族で入院中や病気の方がいますか?
家族は技能実習で日本に行くことに賛成してますか?
有給休暇については、職場の人と相談して取得することができますか?母国に一時帰国する際も何十日と有給が使えない場合もありますが、大丈夫ですか?
今まで母国で一番大変だったことは、どんなことですか?
今まで母国で一番楽しかったことは何ですか?
まぁ、ざっとこんな感じです。一人一人に日本にきてから、きちんとルールや周りのことを考えた生活や行動ができるかは、非常に重要なことです。ここで約束したことは、必死に守ろうとしますし、守れなかったら、送出しや家族に相談する場合があることも、同時に伝えます。日本人と考え方が違う国が多いので、そこはしっかり約束してもらうように本人達にも予め伝えます。
特に有給の使い方が日本人と全く違います。日本人の場合、会社にもよりますが多くても1週間くらいの長期休暇でも周りを気にしながら(そうでない人もいますが)取得しますが、私の担当の実習生でよくあるパターンは、例えば夏季休暇(10日間)にプラス有給を前後に5日ほどくっつけて、合計20日間くらい、そして実習生同士何人か一緒に休み希望を出す人がいます。そのあたりは、日本人と考え方の違いを感じます。なので、有給は使用する権利があるのですが、使用する際は会社との相談や何人も一緒に長期休暇をとらず、日程をずらして取得することも実習生には伝えます。そういったことは、予め徹底して面接で伝えておくべきでしょう。
そして、最後の2つの質問の意図は、その人の過去の経験から、その人の人間性や個性を知るための質問を入れています。この人自身は何を経験し、どんなことに苦労したのか?、どんなことが楽しい思い出として残っているのか、この質問は予め用意されている答えの中になく、経験は人によって違うので、どんなことが聞けるか、その人の人間性がその企業に合うかを見れるポイントとなります。
外国人技能実習生の面接で注意することとは?
職種にもよりますが、手先の器用さを問われる作業等は、実際の作業に似たようなテストを何分で完成できるか、あるいは、1分間でどれだけできるか等も実技テストとして入れておくと、早く丁寧にする人、早いけど雑な人、最初は早いけどだんだん遅くなる人と、あらゆる面が見えてきます。持久力を問う反復横跳びや体を動かすテストを入れるのもよいでしょう。この人は一生懸命最後まで諦めず努力できるか、だんだん雑になってないか等を実際に見ることで、採用の基準になります。
また、宗教もそれぞれ人によって違うので、業務中にお祈りの時間が確実にとれるかとれないか、そういった場所を提供できるか、どうかも予め伝えておいた方がよいです。
まとめ
彼らの人間性を面接の短時間で見て理解するのは、正直難しいです。面接では、少なくとも3年間は母国に帰れない覚悟で来るのが望ましいです。
そして、自分たちの生活と日本での生活の違いを理解し、それでも日本の生活に合わせられるか、自分たちが母国でしてきたことが、全て日本でできるとは限らないので、制限が多くなることを十分に理解してもらわないと、日本に来てからクレームの原因になりかねます。
面接は企業が実際に候補となる実習生と会って話をすることによって、お互いに協力して頑張ろう!って感じの意識が芽生えます。私は実習生の採用面接に必ず企業に同席してもらうことをおススメしています。実習生は派遣社員ではないので、3か月くらいで契約終了して、次他の人っていうわけにはいきませんから、技能実習生の面接は会って話を聞くのはもちろん、運動や作業のテストも入れていろんな側面から、その人を見ることも大事です。